今回は私の事務所でも実際抱えているfreeeさんの実体験を記載したいと思います。
・2022年9月頃に認定アドバイザー登録
・2023年4月頃に職員M.Sさんが会計フリー検定合格+freee利用顧問先数件等要件達成
・2023年夏頃に職員N.Bさんが人事労務フリー検定合格
会計freee利用関与先は6〜7件を常時推移
・2024年6月現在 会計freee利用関与先3件の見込み
個人事業主1件利用断念、法人3件(3ヶ月連続)利用断念
➀どうして利用断念なのか
そもそも「誰でも簡単に使える」、という触れ込みで広告されており、過大解釈を呼び込んでしまった結果という部分が強い。
・個人プランの一番安いプランがサブスク型でとくかく安くて導入しやすい
あくまで個人的にですが、導入しやすい〜始めやすい系は、(特に心の)準備不足を誘いがちです。
例えば近年は法人設立も(中でも合同会社)法務省サイトより様式を入手して、
パソコンが扱える方で時間があれば設立申請が一般の方でも出来るようにもなりました(何気にfreeeさんだと定款作成は無料で設立サポートも安価(司法書士にとっては業務の縮小要因)、さらに税務・社保届も自分で出来てしまうので、我々的には楽になる反面、届の報酬収入が減ったり、届内容の間違い確認=無償の手間増加で、私自身は良い感情を抱いていません)
設立については個人と別人格であることの不知、個人よりも申告書作成が大変であることなど、認識不足で設立なされ、『節税できると聞いて法人設立したのに、お金と手間がかかる一方!』といったお声をよくいただきます。
これは会計freee導入でも同じような減少であるように感じています。
『簡単と聞いていたのに、会計知識0だと結局使いきれない、パソコン操作が苦手で設定すらできない』と。
商売戦略なので当然の売り込みなのですが、安易な導入が横行しているのが肌感覚であります。
A恐らくフリー株式会社の開発陣が頭の回転がグローバルすぎる
会計知識で言えば売掛金を消込しましょう、債務を消込しましょう。ここがまず初心者には通じません。
結果を試算表で確認しましょうとお伝えしましても、とにかく見れない方が多数いらっしゃいます。
これは特に小規模事業の方々で本業中心なため、経理まで力を注げない部分がおおよそです。
あれ、これくらい会計ソフトを利用するうえではわかりますよね?が、本気で一般の方には通じないんです。
そしてもっと深刻なのがITリテラシーです。Excel計算式を組めないお客様が大多数です。
会計freeeを使いこなせばパズルゲームのようにサクサク経理処理が実際進みます。
使いこなせば、が前提なのです。使えこなせないと口座連携等自動連携どまりなんです。
本業を抱えている方が使いこなせますでしょうか?というか使いこなす練習をする時間がありますでしょうか?
求人でパソコン使える方、というほどのタブーな求人の出し方はありません。
キーボードがただ触れたら使える と認識している方が山のようにいらっしゃるんです。
もっと軽く、もっと目視がわかりやすく、もっと行った結果を伝えやすく。
そこまでとことん目線を落としていかないと、真のスモールユーザーは利用継続できないのです。
B操作サポートを会計事務所が担うという分岐
操作サポートを会計事務所が低価格でサポート(具体的に3万円ほどで延3日1日1時間〜ほどかけて)を
提案しましても、設立早々のスモール企業は『安いから会計freeeを導入した。講習費3万円もかけれない』
といったことがほとんどなのです。たかだか3万円。されど3万円。一生モノのスキルであれど、です。
特に会計freeeを導入しやすい開業・設立初期のお客様は、補助者が居ません。
なので本業をおろそかにしてまで会計ソフトに心血をそそぐことはとても出来ないのです。
同様に会計事務所も税理士法人規模であれば、若しくは1名税理士だけ事務所のように軽いと良いのですが、
私の事務所のように数名程度で所長が多忙な事務所ですと、事務所側の学習余裕がありません。
※これについては職員教育プランもあるようですが、所長が学ぶことに対して+職員分と二乗となり、
小規模で1名でも抜けると痛い規模の事務所では、人員的にも金額的にもとても困難な選択肢なのです。
上記のような難点があります。
そのほか、そもそも囲い込み性質が強い会計ソフトメーカーさんだなと見えます。
使いこなすほど価値が見出せる。使いこなすために顧問先をどんどんfreeeへ移行していただく。
会計freee利用の顧問先が増えれば増えるほど、アドバイザーランクが上がり、さらに集客率が高まる。
よく考えられたビジネスモデルなのですが、近年の顧客に合わせた多種ソフト対応型会計事務所ですと、
会計freeeさんだけに比重を置く選択肢がなかなか難しいです。
そのほか私の事務所の特徴として完全リモートで個別指導が比較的出社型よりも困難、
記帳代行の会計ソフトICSが速度にも優れ、AI-OCRもあり、それぞれ手入力が苦にならないタイプで、
(なんといっても、自社入力の修正の方が遥かに手間であり、記帳代行でないため料金も請求できず、特にそのなかでも会計freeeは直しの手間がかかる。)そういう面も、会計freeeに比重を置けない要因にあります。
また、結果論ですが、どうも会計freeeはAに重複しますが、導入しやすい反面、
様々準備不足であったお客様が多く、そのレベルが『通常想定しない経営方法』であることです。
法人ながら個人カード中心の決済であるため連動できず、手入力でクラウドの良さも活かせず、ミスも多発。
※freeeさんとしては自社発行の限度1億円ほど?のクレジットカードも扱われております。この導入を解決です。
個人においてはプライベートとの混合で弾くのが手間で手間で仕方がない(クラウドで無い方がよいパターン)
この辺りは会計事務所の指導力も関係しますため、私どもの力不足という面も当然ございますが、
何しろ「本来そうですよね?」が、なかなか出来ないのが、開業・設立初期の事業者様です。
便利さがもっともっと簡単に浸透できないと、難しいのかなぁというのが現状。
歯がゆくて仕方が無いんです。
当方としては会計freeeとも仲良く継続したいのですが…
長文失礼しました。
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